2024年8月19日、英国国防省の調達部門である国防装備・支援本部(DE&S)は、英国の中小企業(SMEs)が新しい艦艇および潜水艦の整備協定の恩恵を受けることになると発表した。
この新しい協定は、最大8億5000万ポンドに相当する7年間の枠組みの下で実施され、国防省から中小企業へのアクセスが拡大する。これにより、英国の経済成長を促進し、英海軍の艦船と潜水艦の全体的な可用性を向上させる。
本協定は、Marine Systems Transformation(MaST)プログラムの一部である。MaSTは、英国の艦艇や潜水艦に搭載されている非戦闘装備のサポートやスペアパーツを提供するもので、推進システムから厨房設備まで、180,000種類以上に及ぶ。DE&Sを通じてMaSTにSMEsが参加できることにより、計画的および非計画的なメンテナンスのためのスペアパーツへのアクセスが改善されるほか、装備関連の専門的な技術アドバイスが世界的に受けられるようになり、安全性や可用性を損なうことなくコスト削減も図られる。
マリア・イーグル国防調達産業大臣は、本協定により、「より多くの英国の中小企業が英国海軍を支える中心的な役割を果たすことができる」と述べた。さらに、国防産業を支援することで、国の安全を確保することができるとともに、20万人以上の雇用を維持することができると強調した。
Somers Forge社のマネージングディレクターであるサムソン・フォークス氏は、「MaSTを通じて契約を獲得することは、重重要な雇用と技術教育制度を維持し、当社の成長意欲を支えることに繋がる」と述べた。
DE&Sのコア部門ディレクターであるサイモン・デイキン博士は、「MaSTの枠組みは、英国海軍の艦船と潜水艦に対するスペアパーツ調達とサービスサポートにとって画期的なものである。MaSTは、不確実性を増す世界情勢に対応し、厳しい運用スケジュールを満たす機敏性が得られると同時に、継続的かつコスト効果高く、適切に提供する必要のある部品やサービスに対する調達アプローチにおいて費用対効果を高めることができる」と述べた。