2024年6月21日、アメリカのバイデン大統領は両面受光型太陽電池パネル(及び両面受光型モジュール)の緊急輸入制限(セーフガード)措置の適用除外を撤回することを決定した。
この決定の背景には、国際貿易委員会(USITC)の国内太陽電池産業に関する報告書や国内産業代表者から提出されたセーフガード措置を修正する嘆願書において、国内産業が輸入競争に対して前向きな調整を行っていることを示す証拠があることが挙げられる。具体的には、国内のモジュール生産能力や生産量、市場シェアの増加が確認されている。また、両面受光型太陽電池パネルの除外がセーフガード措置の効果を損なっているとの指摘もある。
この決定に至るまでの経緯は以下の通りである。
・2018年1月23日、大統領布告9693により、特定の結晶シリコン光起電力(CSPV)セルの輸入に対して4年間のセーフガード措置が導入された。
・2019年6月13日には、USTR(米国通商代表部)が両面受光型太陽電池パネルをセーフガード措置から除外した。
・しかし、2020年10月10日、大統領布告10101により、両面受光型太陽電池パネルの除外が撤回され、セーフガード関税が15%から18%に調整された。
・その後、2021年11月16日に国際貿易裁判所(CIT)が大統領布告10101の執行を差し止めたが、2023年11月の連邦巡回区控訴裁判所のパネルはCITの判決を覆した。
・2022年2月4日には大統領布告10339により、セーフガード措置が4年間延長され、再び両面受光型太陽電池パネルが除外された。
・2024年2月6日、USITCはセーフガード措置の中間報告を発表し、国内産業の前向きな調整を確認した。
・2024年2月23日、国内産業代表者が両面受光型太陽電池パネルの除外撤回を求める請願を提出した。
本布告は5日後の6月26日に官報で公示され、同日の米国東部夏時間午前0時1分以降に輸入された製品に対して適用される。