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インテリジェンス

英国空軍の任務が持続可能な燃料で実施

2024年08月27日

2024年8月14日、英国空軍(Royal Air Force, RAF)は、スコットランドのRAFロジーマス(RAF Lossiemouth)空軍基地において、初めて日常業務で持続可能な航空燃料(SAF)を使用した。これは、従来の燃料とSAFの混合燃料を使用しており、二酸化炭素排出量の削減とエネルギー安全保障の強化を図るための取り組みである。

RAFロジーマス空軍基地は、TyphoonやPoseidonなどの航空機が配備されており、英国とその同盟国の防衛に重要な役割を果たしている。

 

今年初め、World Fuel Servicesとの契約により、400万リットルの混合SAFが英国空軍に納入され、さらに数ヶ月以内に500万リットルが追加で供給される予定である。SAFの原料には、水素化油脂や木くず、アルコール、砂糖、家庭廃棄物、バイオマス、藻類などが含まれている。

 

コーカー国防相は、「国防全体で使用される燃料の3分の2近くを航空燃料が占めているため、RAFにとって初の試みとなる今回の採用は、国家安全保障に妥協することなく二酸化炭素排出量を削減するという国防省のコミットメントを示すものである」と述べた。2020年、国防省は航空燃料基準を更新し、防衛航空機の混合燃料にSAFを最大50%まで使用可能とした。SAFの使用により、航空機の二酸化炭素排出量を最大70%削減することができる。RAFは2040年までにネット・ゼロを達成することを目指している。

 

航空燃料基準の更新以降、RAFは様々な種類の燃料を試験的に使用してきた。2021年11月には、空気と水から作られた合成燃料を動力源とする超軽量動力機(MLP)を飛行させた。2022年春には遺伝子組み換えバクテリアから作られた合成ケロシンでドローンを飛行させた。2022年11月には、RAFが100%SAFを使用して90分間の飛行を成功させ、2023年にはTyphoonとC-130 Herculesの空中給油に混合SAFを使用した。

 

こうした取り組みは、民間部門におけるSAFの使用を促進するための道を開くものであり、ハリス空軍副司令官は基地へのSAF導入は「私たちのコミットメントを示すものであり、二酸化炭素排出量を削減するために国防と産業界を結びつけるものである」と述べた。

出典:Ministry of Defence and Lord Coaker, 2024, "Royal Air Force missions fuelled sustainably," GOV.UK(元記事公開日:2024/8/14、英国)

出典URL:https://www.gov.uk/government/news/royal-air-force-missions-fuelled-sustainably