FacebookXPocket
インテリジェンス

米国防総省が生物防衛能力に特化した新しいスーパーコンピュータを導入

2024年08月28日

2024年8月1日、アメリカ国防総省(DoD)と国家核安全保障局(NNSA)は、ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)において、生物防衛に特化した新しいスーパーコンピュータシステムを始動した。このシステムは、LLNLのエクサスケールスーパーコンピュータ「El Capitan」と同じシステムアーキテクチャを拡張する形で構築されており、計算能力を大幅に向上させることを目的としている。

 

この新しいスーパーコンピュータシステムは、大規模なシミュレーションやAIベースのモデリングを通じて、生物モニタリング、脅威の特性評価、先進材料の開発、医療対策の迅速化など、さまざまな防衛活動において独自の能力を提供する。DoDとNNSAは、このスーパーコンピュータの能力を米国政府の各機関、国際的な同盟国やパートナー、学界や産業界にも提供する予定である。

 

導入日の会見では、高性能計算と米国政府の機関間の協力が国家安全保障のための新しい生物防衛能力の開発において重要な役割を果たすことが強調された。化学・生物防衛担当のワトソン国防副次官補(化学・生物防衛担当)は、「この新しいスーパーコンピュータシステムと他の技術的支援は、先進的な化学的・生物学的脅威に対抗するための持続的な優位性を構築し、最先端の防衛能力を提供するというDoDのコミットメントを示している」と述べた。

 

この新しいスーパーコンピュータシステムは、DoDの化学的・生物学的防衛プログラムによって資金提供されており、2023年にDoDとNNSAが国家の最も困難な生物防衛課題に取り組むために締結した協定を進展させるものである。NNSAリバモア現地事務所のマネージャーであるジャニス・パレンティ氏は、この協力関係を称賛し、DoDの投資とNNSAおよびLLNLの専門知識が組み合わさることで、「最先端の科学が推進され、我々の国の生物脅威への対応能力がさらに強化される」と述べた。

出典:U.S. Department of Defense, 2024, "DOD Introduces New Supercomputer Focused on Biodefense Capabilities"(元記事公開日:2024/8/15、米国)

出典URL:https://www.defense.gov/News/Releases/Release/Article/3875539/dod-introduces-new-supercomputer-focused-on-biodefense-capabilities/