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インテリジェンス

米国国防総省が大容量バッテリーのサプライチェーンに向けた持続可能な硫酸コバルト生産の確立のために2000万ドルを助成

2024年09月04日

米国防総省は2024年8月19日、国防生産法投資(Defense Production Act Investments:DPAI)事務局を通じてElectra Battery Materials(Electra)社に対して2000万ドルの資金提供を行うことを発表した。この資金は、カナダのオンタリオ州テミスカミングショアーズにある同社の施設で製錬プラントを完成させ、硫酸コバルトの生産を確立するために使用される。この資金提供は、2022年のウクライナを支援する歳出法の資金を利用し、2024年の国家防衛産業戦略の目標である重要鉱物の国内生産拡大を支援するものである。

 

Electra社は、北米初の硫酸コバルトを生産する製錬所の建設を目指しており、このプロジェクトは北米の電気自動車(EV)サプライチェーンを強化することが期待されている。国防総省の産業基盤政策担当次官補(ASD(IBP))のローラ・テイラー=ケール博士は、「この資金提供は、大容量バッテリーの重要な前駆体材料の北米生産を発展させ、防衛および商業部門の需要に応える、より強固な産業基盤の構築に貢献する」と述べた。

 

また、カナダのジョナサン・ウィルキンソンエネルギー天然資源大臣は、「責任ある重要鉱物の採掘から、北米での加工、EVおよびその他の重要技術のためのバッテリー製造、そして最終的にはリサイクルに至るまで、カナダと米国の双方にとって経済的および安全保障的な観点から大きな機会となる」と述べた。

 

この資金提供は、2024年度の開始以来、国防生産法投資(DPAI)プログラムによって行われた35件の資金提供の1つであり、35件の総額は4億4500万ドルに達している。また、カナダ企業に対するDPAIの資金を使用した3件目のプロジェクトでもある。DPAIプログラムは、国防総省の産業基盤レジリエンス担当次官補室の製造能力拡大および投資優先プログラム(Manufacturing Capability Expansion and Investment Prioritizatio:MCEIP)によって監督されている。

出典:U.S. Department of Defense, 2024, "Department of Defense Awards $20 Million to Establish Sustainable Cobalt Sulfate Production for Large Capacity Battery Supply Chain"(元記事公開日:2024/8/19、米国)

出典URL:https://www.defense.gov/News/Releases/Release/Article/3877791/department-of-defense-awards-20-million-to-establish-sustainable-cobalt-sulfate/