FacebookXPocket
インテリジェンス

米国とイラクの共同安全保障協力対話に関する共同声明

2024年08月08日

2024年7月22日から23日にかけて、アメリカ国防総省(DoD)とイラク国防省はワシントンD.C.で第2回米イラク共同安全保障協力対話を主導し、安全保障協力へのコミットメントと地域の安定に対する共通の関心を再確認した。両代表団は、2008年の米イラク戦略枠組み協定に基づき、両国の包括的なパートナーシップの認識の下、二国間の安全保障に関する問題について協議した。

イラクのアバシ国防相は、アメリカのオースティン国防長官や国防安全保障協力局、米中央軍、国務省、国家安全保障会議の代表者と会談したほか、別途、アメリカ統合参謀本部議長のチャールズ・Q・ブラウン大将やテロ対策局長、イラク統合作戦司令部副司令官等とも個別に会談した。

 

安全保障協力対話は、2024年4月のイラクのスダニ首相がワシントンD.C.を訪問した際の議論と、2023年夏に開催された第1回合同安全保障協力対話の議論を基にしている。第1回対話では、ISISの脅威、作戦上の要件、イラクの治安部隊の能力レベルという3つの要素を分析する二国間高等軍事委員会(Higher Military Commission:HMC)の設立が決定された。この対話は、HMCの過去6か月間の作業成果を踏まえ、ISISに対する有志連合軍の任務が10周年を迎えるにあたり、共同安全保障協力対話の中で継続されることとなった。イラクにおける有志連合軍の任務と将来に関する詳細な共同声明はHMCの作業終了後発表される予定である。

 

両国は、ISISの永続的な打倒を確保するために、二国間の協力を強化する意向を再確認した。HMCは、イラクにおける有志連合軍の歴史的な成果を評価し、ISISによる数百万の犠牲者に敬意を表した。これらの犠牲者には、ペシュメルガを含むイラクの治安部隊や、アメリカを含む国際的なパートナー部隊が含まれる。両国は、イラクが、シリアおよび世界各地のISIS打倒に向けた支援を継続する重要性を確認した。

 

さらに、両国は連絡官、訓練、伝統的な安全保障協力プログラムを通じた協力を含む、新たな二国間安全保障関係の構想について合意した。また、アメリカの軍事支援や安全保障協力プログラムを通じて、イラクの治安部隊の運用能力を構築する努力についても議論された。両国は、イラクの安全保障部隊が使用するアメリカ製軍事装備の持続可能性を確保するための協力継続の重要性を強調し、専門的な軍事教育と技術訓練プログラムの強化を決定した。両代表団はまた、米中央軍が主導する地域軍事演習へのイラクの参加を拡大し、イラク軍と米中央軍の下部司令部との関係を強化する機会を模索した。さらに、両国は、ISISの永続的な打倒を確保するためのメカニズムを含む二国間安全保障関係の強化に向けた覚書(MOU)の作成に着手することを決定した。

 

この2回目の共同安全保障協力対話が成功裏に終了したことは、イラク主導によるISISの不朽の打倒や安全保障協力の取り組みに限らず、あらゆる分野における2国間の安全保障協力の深化に対する両国のコミットメントを強調するものであるとしている。米・イラクの二国間関係は地域の安定を促進し、戦略的枠組み合意全体を強化するという両国の決意を表している。

出典:U.S. Department of Defense, 2024, "Joint Statement on U.S.-Iraq Joint Security Cooperation Dialogue"(元記事公開日:2024/7/24、米国)

出典URL:https://www.defense.gov/News/Releases/Release/Article/3848355/joint-statement-on-us-iraq-joint-security-cooperation-dialogue/