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インテリジェンス

ミサイルの新規発注により英国軍への将来的な供給を確保

2024年08月08日

2024年7月24日、イギリス政府はThales UKへ軽多目的ミサイル(Lightweight Multirole Missiles:LMM)を大量に発注した。この契約はイギリス国防省の調達部門であるDefence Equipment & Support(DE&S)によって締結され、総額は1億7600万ポンドに上る。LMMはイギリス軍の短距離防空能力を強化するために使用され、特にストーマー戦闘車両やワイルドキャットヘリコプターから発射されるマートレット海上対地ミサイルシステムに搭載される予定である。

 

LMMは重量が1発わずか13kgであり、ドローン、ヘリコプター、その他の航空機、小型高速海上目標などの脅威に対する精密なソリューションを提供する。この契約は北アイルランドのベルファストにあるThalesの拠点で135人の雇用を支えるだけでなく、中小企業や地域のサプライチェーンを通じて経済成長も促進する。

 

マリア・イーグル国防調達産業大臣は、「より危険な世界において、ウクライナへの武器供給を続けると同時に、自国の備蓄も補充する必要がある」と述べ、新たなLMMの発注がこの目的を達成するための重要な一歩であると強調した。また、この契約は防衛投資が経済成長と雇用維持にどのように寄与するかの好例であるとも述べた。

LMMは2021年に英国海軍の空母打撃群の展開中にベンガル湾で初めてワイルドキャットヘリコプターから発射され、マートレットシステムの初期運用能力を示した。その後、LMMは紅海でのフーシ反乱軍から商業船舶を守る「オペレーション・プロスペリティ・ガーディアン」などの作戦でも使用されている。

 

DE&Sのアンディ・スタートCEO は、LMMは多様な戦場で汎用性が高く価値のあるミサイルであり、イギリス軍と同盟国が進化するグローバルな脅威に対処するために必要な装備を確保することが重要であると述べた。今回の発注は、Thales UKとの継続的なパートナーシップの一環であり、2024年初めに締結された6900万ポンドの契約に続くものである。この契約はミサイル製造のための主要部品の供給チェーンを確保するためのものであった。

 

Thales UKのアレックス・クレスウェルCEOは、「今回の契約発表は、軽量兵器の提供におけるイギリス国防省とThalesの持続的なパートナーシップを反映している」と述べ、「今後も国防省と緊密に協力し、イギリス軍が必要とする能力を提供するとともに、増大する需要に対応できるよう産業をより強靭にすることを目指す」とした。

出典:Ministry of Defence, Defence Equipment and Support and The Rt Hon Maria Eagle MP, 2024, "New order of missiles secures future supply for UK Armed Forces," GOV.UK(元記事公開日:2024/7/24、英国)

出典URL:https://www.gov.uk/government/news/new-order-of-missiles-secures-future-supply-for-uk-armed-forces