アメリカ国防総省は、サプライチェーンの強化と産業能力の向上を目指す取り組みを進めている。
2024年6月にワシントンのシンクタンクであるアトランティック・カウンシルが主催したパネルディスカッションにおいて、国防総省のラムダス筆頭国防次官補代理(産業基盤政策担当)は同盟国やパートナーとの緊密な協力がサプライチェーンの強化や産業の強化のために重要であると強調した。
国防総省は2024年1月に米国で初となる「国家防衛産業戦略(National Defense Industry Strategy)」を発表した。この戦略は、防衛産業エコシステムの構築のために、取り組むべき優先事項を明確にしている。また、生産の拡大・サプライチェーンの強靭化に対する同盟国やパートナーの重要性についても言及している。
さらに、インド太平洋地域における防衛産業協力の強化も重要な焦点となっている。オースティン国防長官は2024年6月初頭にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で、地域の防衛産業基盤の強化に向けた米国とそのパートナーのコミットメントを再確認した。
また、ジェディダイア・ロイヤル筆頭国防次官補代理(インド太平洋安全保障問題担当)は6月27日、ワシントンの戦略国際問題研究所主催のフォーラムで、共同声明に署名した12カ国が、学んだ教訓やベストプラクティスを交換する多国間フォーラムを設立することにも合意したと述べた。
ラムダス氏は、これらの取り組みが米国内外の防衛産業基盤の強化に寄与すると述べ、同盟国やパートナーとの協力が今後も重要であると強調した。